アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

I, 米

自炊はしない主義なのですが、最近、美味しいお米を農家さんから頂き、自分で炊いてみるかということで、炊飯器を買いました。白米でなく、3分から5分づきの玄米が好みです。食味や品種について調べていたところ、次のサイトを見つけました。まさに「わたく…

国益とはなんだろう

Harry Browneの著書『Liberty A to Z』によれば、国益とは ・完全なごまかし言葉であり ・国全体に広がる利益とかではけっしてなく ・ある個人や企業、産業、利益団体へもたらされる利益のこと であり、それは ・国の大部分の人にとって純損失になるだろう大…

ポリティカリー・インコレクト・リバタリアン

グレゴリー・スミスさんという、市井のリバタリアンの方のキンドル本がランキング上位に来ていたので買ってみました。 タイトルは『右寄りのリバタリアンによる政治的に正しくない喚き散らし』。 たとえば「コロラド乱射事件の真実」という章では、著者は下…

民主主義の神話その13: 他に(より優れた)選択肢はない

民主主義に代わるものは独裁制しかないのではと思うかもしれない。だが、それは違う。民主主義に代わる唯一の体制は独裁制ではない。 正しい考え方は、車を民主主義的に購入するということの代替選択肢は、独裁者が車を買うということではなく、あなた自身が…

民主主義の神話その12: 我々は皆、民主主義者である

ある人が毎日チキンを食べるのを強制されており、チキンが好きだと発言するとしよう。これは信用できない。彼にチキンを食べない自由があってこそ、その発言は信頼できる。 民主主義についても同じことが言える。民主主義は強制である。全員それに参加しなけ…

民主主義の神話その11: 人々は望むものを得る

たとえば教育について考えてみよう。無気力教師、暴力・いじめ、学力低下など問題ばかりである。これは私たちの望むものではない。 民主主義が足りないから、これらの問題は起こるのだろうか?いや、逆である。民主主義が機能した結果がこれなのである。すな…

民主主義の神話その10: 平和を促進し、政治腐敗との闘いにも資する

国際政治においては、民主主義国家は良い奴で、そうでないのは悪い奴ということになっている。民主主義国家は平和を愛しているのだ。でもそれは本当だろうか? 民主主義が最も進んだ国であるアメリカはこれまでに数々の戦争を起こしてきている。無防備な市民…

民主主義の神話その9: 自由と寛容に等しい

自由と民主主義はセットで来るかのように思っている人は多い。じっさいは互いに正反対のものである。民主主義では政府の決定から逃れられる人はいないのだ。命令に従わなければ罰せられる。この意味では独裁制と基本的に違いはない。 民主主義がまだ崇められ…

民主主義の神話その8: 連帯感のために必要である

連帯感と民主主義はよく結び付けられるが、それは違う。民主主義とは言ってみれば税金略奪闘争における適者生存の論理なのだから、連帯感とはまったく逆だとも言える。 民主主義のもと、みんなで物事を決定しなければ、国民の一体感が失われると思うかもしれ…

民主主義の神話その7: 人々が調和の中で生きていくために必要不可欠である

友達のグループでどこのビーチに行くかを決めるという程度なら、多数決で解決が図れるかもしれない。でも大抵の場合、問題解決に多数決というのは必要がないし、実際、そういう民主主義は争いを引き起こすことのほうが多いのである。 民主主義は個人的な問題…

民主主義の神話その6: 公平な富の分配の保証と、貧者救済のために不可欠である

ざっと言って、人々が生産したものの半分を政府がとり、再分配する。その大部分が利益団体に行く。EUの予算のうち5分の2は農業補助金だ。ほかに発展支援団体、銀行、大企業、テレビ局、環境団体、文化組織などが何十億もの助成金を得る。 圧力団体は助成金や…

民主主義の神話その5: 繁栄をもたらす

逆である。民主主義は富を破壊する。 民主主義でなくとも繁栄している国家はある。シンガポール、香港、湾岸諸国などである。一方、アフリカや南米では多くが民主主義国であるが、貧しい。 西側諸国は「民主主義にもかかわらず」裕福であると言うべきである…

民主主義の神話その4: 政治的に中立である

民主主義は実際に中立などでない。それは本来的に集産主義であり、政府の干渉と個人の不自由に向かうものである。なぜそうなるかというと、人々がいつも政府に要求を行ない、そのコストを他人に支払わせたがるからである。 民主主義はその本質において全体主…

民主主義の神話その3: 多数派が正しい

多くの人が信じているからといって正しいとは限らない。集団的幻想の事例は数多くある。地球は平らだとか、王は神の代理であるとか。奴隷制やユダヤ人迫害も昔は多くの人が正しいと思っていたのだ。 民主主義においては、道徳的判断は多数派の意思にゆだねら…

民主主義の神話その2: 人民が統治する

そもそも「人民」というのは存在しない。たくさんの意見や利害があるだけなのだ。「人々がペプシを欲しがっている」という場合でも、ある人々がそれを欲しがっているというだけなのである。政治的嗜好についても同じことが言えるだろう。人々全体の嗜好や意…

民主主義の神話その1: すべての票に価値がある

「すべての票に価値がある」というのは、「すべての票に無視できるほど微小な価値がある」ということであり、実質どの票にも価値(影響力)がないということだ。 他の99.9999%の人の投票によってあなたの運命は決まる。そこで投票とは「自由を失う代わりに得…

民主主義に関する13の神話

参院選がまもなく公示されますね。選挙は民主主義というものを考える良い機会だと思います。 フランク・カルステンとカレル・ベックマンによる共著 Beyond Democracy には13個の民主主義の神話が集められています。 神話その1: すべての票に価値がある(Eve…

ツイッターはなぜすごいのか

「自分のランチについて世界に発表するなんて、他にやることがないのかな。」 数え切れない数の人が、ツイッターについて私にこんなことを言ってくる。私はもう相手にするのをやめた。彼らはお高くとまり、Facebookや YouTube、Angry Birds、あるいはスマー…

デフレは病気

風邪を引いたときどうしますか。私は何も食べずにじっと休んでいるのが一番だと思います。体調が悪いときは空腹にしているのが最も回復を早めると考えます。薬は飲みません。野生の動物も断食によって不調やケガを治すそうです。病気になると食欲がなくなる…

リバタリアンな生き方はあるか

■なぜリバタリアンは自己責任論者か 小泉政権の時代、その「自己責任論」が賛否の分かれる議論になりましたね。リバタリアンはイコール「自己責任論」者とみなされたり。 でもリバタリアニズムの一般的な定義は「他者の権利を侵害しない限り、各個人の自由を…

バターミルクって何?

去年から一日一食や糖質制限など、いろんな食事法を試しています。そして最近出会ったのがインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」というもの。内容を見るとなんともオカルトな雰囲気なのですが、それ自体「生命科学」という意味の、自称科学なのです。 アーユ…

あなたはリバタリアン?―自分の政治的立ち位置を知る

MrKiteさんの記事にあったイデオロギー分析テストをやってみたら、政治的自由度+20、経済的自由度+36というマイルドなリバタリアンになりました。 この種のテストの最も簡易的なものとして World's Smallest Political Quiz があります。 これは簡単な質問に…

日本のバターは高すぎる

小中学校では給食にマーガリンが出てましたね。あんまり旨いんで余りをもらって塗ったりして。気分が悪くなった思い出がある方も多いかもしれません。 かつては植物性ということでバターより健康によいとされたマーガリンは、近年は「トランス脂肪酸」を多く…

Japan【形】(経済的に)にっちもさっちもいかない

(以下はDan Mitchell氏のブログ International Liberty - Restraining Government in America and Around the World 2013年1月15日付の記事を翻訳したものです。) The Basket Case Sometimes Known as Japan (壊れた機械、日本) 良い財政政策に力はいら…

自由主義経済学者は長生き?

公共選択論のとして有名な経済学者ジェームズ・ブキャナンが亡くなった。93歳。シカゴ学派の一人であり、1986年にノーベル経済学賞を受賞した。 先月、オーストリア経済学の研究者である越後和典先生宅におじゃました時、先生の年齢(85歳)のことが話題にな…

理性的な道徳観とは自己利益のための倫理、すなわち生命尊重の倫理である

人生とは彼のもつすべての価値観を実現させうるものである。倫理とは自分のために行動することを意味する。それが命を尊重するということである。正しいことと間違っていることを見分けるのに、摩訶不思議で理解困難なものなどない。理にかなった道徳観が存…

ギネス・イズ・リバタリアン

ギネスビールとギネスブック。どちらも有名なイギリス製品である。"Half Guinness Please." パブでギネスを(平日の)昼間から気軽に飲む。素晴らしい。そしてもう一つ、私が感激したのが、あの『ギネスブック』の実物である。そこらへんの本屋に平積みで置…

リバタリアンの原理(非侵害原理)とは

私たちが提案する社会は一つの基本的な原理に基づいている。すなわち、いかなる人間も、またいかなる団体も(これには自身を「政府」と称するどんなグループも含まれる)、武力の使用、また武力を使うという脅迫、また(詐欺のような)武力に準じることを、…

他国の侵略から市民を守るために自国民を侵略する

兵器というのは民間人の仕事によって作られる。そしてこれらの兵器を買うための原資、および徴集兵にわずかな手当を払うための原資は、課税という手段によって民間人から差し押さえられる。(この徴集兵とともに軍隊という少数グループを作る)残りの兵士た…

政治家の七つの大罪

成功した政治家というものは極端にうぬぼれがちである。自己イメージを膨張させながら、自分の地位について肥大した感覚を持ち、また見当違いの攻撃的、人権侵害的な感覚を持っている。彼らは市場競争がそうであるように同胞市民に奉仕するのではなく、自分…