アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

民主主義の神話その3: 多数派が正しい

多くの人が信じているからといって正しいとは限らない。集団的幻想の事例は数多くある。地球は平らだとか、王は神の代理であるとか。奴隷制ユダヤ人迫害も昔は多くの人が正しいと思っていたのだ。

 

民主主義においては、道徳的判断は多数派の意思にゆだねられる。量が質に勝るのだ。すなわち、何かを欲しがる人の数自体が、道徳的な判断や合理的な判断よりも優先される。

 

もし路上で強盗を行なったら、処罰される。でも、たとえばアルコールやタバコの課税のように、多数派が少数派から強奪する法律を通すことは、民主的決定であり、またそれゆえ合法的なのである。だがこれと路上強盗はいったいどう違うというのだろう。

 

(参考: Frank Karsten, Karel Beckman, Beyond Democracy, Myth 3 - The majority is right)