アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

★『無政府国家への道』(本紹介)

『無政府国家への道』紹介その13

第七章 無政府資本主義 より ・「もしある人が『保護』を望むならば、かれは市場でそれを手に入れるよう自身で手はずを整えることができる。誰であろうと、かれを『保護する』ために、かれの意に反して、かれに不当な支払いをさせる正当な理由はない。」(ラ…

『無政府国家への道』紹介その12

第六章 国家の非効率性 より ・国家を合理的な行為者と考えること、すなわち北京、モスクワ、あるいはワシントンを一定の目標に従って行動する行為者として語ること、は人を欺くものである。国際関係の領域では、こうした巨大な国家機構は政治的ゲームや官僚…

『無政府国家への道』紹介その11

第五章 人間の権利の再発見 より ・もし現代の民主主義国家が大憲章あるいは権利章典の全文を採用するならば、現行法の大多数は人間の権利を侵害するものとして告発されるであろう。 ・社会的正義はその追求が専横につながる幻想である。 ・出発点での運の平…

『無政府国家への道』紹介その10

第四章 自由放任主義 より ・国家は物を統制すれば、それだけ人をも統制する。なぜなら、人は生きるために物を必要とするからである。 ・19世紀の自由放任主義経済学者であるギュスタブ・ド・モリナリは、郵便・輸送・通信・文化・慈善・道路・教育および貨…

『無政府国家への道』紹介その9

第三章 自由は秩序を生み出す(自由と権威) より ・社会主義者は自由と秩序、個人と社会を融和させることができない。かれらにとって、秩序、すなわち国家の目標は常に自由よりも優先するだろう。つまり、社会は常に個人よりも上位にあるだろう。 ・国家に…

『無政府国家への道』紹介その8

第三章 自由は秩序を生み出す(伝統と進歩) より ・国家の大望は人々の生活に絶えず大混乱を引き起こす。 ・収容、それは強制された進歩である。(空港や高速道路) ・所有権と結びついて、無政府状態は伝統と進歩を融和させる。 (第三章つづく)

『無政府国家への道』紹介その7

第三章 自由は秩序を生み出す(制限された国家) より ・もし国家が「公共財」を私企業よりもうまく供給することができると主張するなら、国家は市場の潜在的な、あるいは既存の競争を受け入れることによってそれを証明しなければならない。国家は自己の経済…

『無政府国家への道』紹介その6

第三章 自由は秩序を生み出す(契約と団体) より ・個人主義は自発的な社会主義を認める。契約に基づく社会は(ノジックが述べているように)、合意している成人の間の資本主義的行為を禁じる社会主義社会とは正反対のものである。 ・営利を目的とする(商…

『無政府国家への道』紹介その5

第三章 自由は秩序を生み出す(法の優位) より ・法は秩序の維持に貢献するが、それは自由を保護することによってである。権力は万人と同じ規則に従わせられねばならない。(=「法の支配」の意味) ・法学者ダイシーは法の優位(法の支配)について古典的…

『無政府国家への道』紹介その4

第三章 自由は秩序を生み出す(ハイエクと自動調整社会) より ・社会に分散している情報を最大限に利用するには、より賢明であると自称するある権威が個人に何をすべきかを命じる、という代わりに、各人は自由に自分の行動を自分自身の情報に基づかせること…

『無政府国家への道』紹介その3

第二章 社会は存在しない より ・社会は個人のように固有の選好をもたないし、それに動機付けられた行動もしない。個人的な選好、目的、行動だけが存在する。 ・社会はそれ自体何もすることができないし、何も目指すことができない。 ・実際、社会的目的ある…

『無政府国家への道』紹介その2

第一章 集団的権利は神話である より ・民主主義において多数派の専制から保護される個人的権利とはどのようなものなのか。ユダヤ人を皆殺しにするとか、少数派の財産を収容するとかという多数派の決定にどう反対できるのか。 ・古代のアテネの集会では単純…

『無政府国家への道』紹介その1

ピエール・ルミュー『無政府国家への道』は絶版・入手困難になっている本だ。そこで私のお気に入りの箇所を抜き出していって紹介することにする。訳が読みにくくなっている所は適宜わかりやすく言い換えたり、冗長なものは簡略化して要点だけ書いている。 序…