アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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『無政府国家への道』紹介その5

第三章 自由は秩序を生み出す(法の優位) より

・法は秩序の維持に貢献するが、それは自由を保護することによってである。権力は万人と同じ規則に従わせられねばならない。(=「法の支配」の意味)

・法学者ダイシーは法の優位(法の支配)について古典的な定義を与えた。すなわち、「あらゆる恣意的権力、あらゆる特権、さらには政府が図る権力の拡大、とは反対に、現行法の絶対的な優先あるいは優越」。

ハイエクによれば、アテネの法、ローマの法、中世の法にならって、コモンロー(慣習法)は人間の意思とは独立に存在する何か与えられたものが法である、と想定する。法は発明されるべきものではなく、社会の自生的秩序の中で発見されるべきものである。歴史はコモンローの有効性を証明している。われわれは主として、万民法、商人の法、および港や市のしきたりの平素の発展のなかに、開かれた社会を可能にしてきた法の進化段階を求めなければならない、とハイエクは言う。

・私的所有が不可欠であるのは、もしそれがなければ、個人の所有になる場所あるいは領分がないことから、個人的行動は絶えず衝突し合うからである。

(第三章つづく)