アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

政府はいつも支出を最大化し生産を最小化する

政府の原理―司法の独占と課税権力―を所与とすれば、国家権力を制限することや個人の生活と財産を安全に守るということはいずれも幻想なのだ。独占的庇護は、公正と保護の両方の価格を上げ、品質を下げる。そもそも税金を元にした保護機関というのが語義矛盾…

社会主義経済はカオスである

これとははっきり対照的に、社会主義に経済と呼べるものは何もないし、経済効率も何もない。その理由は金銭による計算と費用計算が定義により不可能なことにある。生産要素に対して私有財産権がなければ、どんな生産要素にも価格がつくことはない。それゆえ…

政府ほど我々にとって危険な存在はない

このように経験的な証拠ははっきりしている。国家の保護を信じるのは明らかに間違っている。国民を保護するというアメリカの国家主義は完全な失敗といえる。合衆国政府は私たちを守りはしない。それどころかアメリカ政府ほど我々の生活・財産・繁栄にとって…

国防問題における外部性(フリーライダー)理論のおかしさ

「構成員がただ乗りするので防衛は私的には供給されえない」という経済学の標準的な理論は、個人メンバーだけでなく団体メンバーにも当てはまるはずだろう。つまりある都市や州、国家は、他の国にフリーライドすることができる。メキシコとアメリカ、カナダ…

政府が市民を暴力から守っているということの矛盾

第一に政府は無理やり市民を「防衛」活動の一員にしてしまう。第二に政府は自分たちが管轄する地理的な領域内で、別の第三者が顧客保護契約をするのを脅迫によって禁じて、自分たちとの保護契約を優先させる。もし本当の意味での暴力からの保護というのが、…

市場だけが銀行を規制すべきである

連邦準備制度の銀行独占は破壊されるべきである。そうして企業家が完全に私有化された銀行を設立し、市場のプロセス以外に規制されないようにする。連邦準備制度こそが政府が通貨を膨張させる仕組みなのだ。また特権法によって銀行が要求払い預金に対してほ…

徴兵制の経済分析

徴兵制について滅多に指摘されることがないのは、それが独占的特権を付与し、また制限的な賃金を押しつけるための効果的方法であるという点だ。 徴兵制は、児童労働法と同じように、労働市場から労働力の一部分を奪う。この場合、つまり健康的な大人である。…

「自然」独占の神話

経済学基礎の授業をとる学生なら誰でも教えられることがある。いわゆる公益事業(電気・水道・ガスなど)というのは政府が20世紀初めからずっと規制している独占であり、そうすることによって国民を自由市場あるいは「自然」独占の悪魔から守っているのだ。…

この世に安定した国家というものはない

ソビエト崩壊の教訓は社会主義が機能しないということだけではない。それは全体包括的な国家主義は長続きしないということであり、このことは一党独裁の下であろうと民主主義という幻想の下であろうと変わらない。我々はソ連の20年前の経験を謙虚に受け止め…

模倣のダイナミズムとイノベーション

18世紀と19世紀のドイツ語文化圏における芸術を見てみよう。作曲家による模倣は最大の賛辞であると考えられた。バッハがブクステフーデのエラボレーションを書いたとき、それは故人の遺産と記憶への素晴らしい贈り物だと見なされた。マーラーがブラームスの…

知的財産権は時代に逆行している

知的財産の問題は今日の世界では非常に重要なトピックである。 我々が日常使う物やサービスの多くがどんどんデジタル化されている。何かをデジタル化するということは、それからある部分を取り出し、希少性の世界から無限に再生産可能な世界に移すということ…

希少な資源を政府を通じて割り当てるということ

政府は課税する権力をもち、その強制力を使って「サービス」を生産することができる。実際それがコストに見合っているかどうか関係なくである。民主主義の建前では、納税者は欲しくないものを強制的に買わされたり、あるいは支払い意思額以上の金額を強制さ…