徴兵制の経済分析
徴兵制について滅多に指摘されることがないのは、それが独占的特権を付与し、また制限的な賃金を押しつけるための効果的方法であるという点だ。
徴兵制は、児童労働法と同じように、労働市場から労働力の一部分を奪う。この場合、つまり健康的な大人である。強制的に労働力を移動し、また軍隊でわずかな賃金で強制労働させることは、残った人々の賃金を上げる。とりわけ徴兵される人々がやるような分野と直接競争する分野の人々である。
当然、一般経済の生産性も落ち込むことになり、全体の下落幅は少なくとも一部の労働者の利益より大きくなる。だが、他の独占認可のケースと同様に、おそらく一部の特権者は政府の行為から利益を得るだろう。
直接的には、徴兵制は政府が労働力を市場価格をはるかに下回る価格で手に入れる方法である。ここで市場価格とは、自発的な軍隊に入隊してもらうために支払わなければならない賃金のことである。
Murray N. Rothbard
POWER AND MARKET: GOVERNMENT AND THE ECONOMY
3. Triangular Intervention
より