アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

『無政府国家への道』紹介その4

第三章 自由は秩序を生み出す(ハイエクと自動調整社会) より

・社会に分散している情報を最大限に利用するには、より賢明であると自称するある権威が個人に何をすべきかを命じる、という代わりに、各人は自由に自分の行動を自分自身の情報に基づかせることができる、ということが必要である。

・人間の制度(言語、貨幣、道徳規則、法など)はとりわけ試行錯誤の進化過程によって発展した。生き延びた制度(たとえば核家族)はこうして人間活動にとって最も有用なものであることがわかった。この種の進化が考慮に入れる要因の数と複雑さを考えると、進化の産物と同じように一般的に受容され、しかも効率的である新しい制度の全体を、意識的に設計することは不可能である。

社会主義は社会を巨大な組織に変形しようとするものである。その場合、秩序は、自生的である代わりに、個人的目標を組織、すなわち国家、の目標に従属させてしまう。社会主義的秩序は自動調整的というよりも、むしろ権威主義的である。

(第三章つづく)