他国の侵略から市民を守るために自国民を侵略する
兵器というのは民間人の仕事によって作られる。そしてこれらの兵器を買うための原資、および徴集兵にわずかな手当を払うための原資は、課税という手段によって民間人から差し押さえられる。(この徴集兵とともに軍隊という少数グループを作る)残りの兵士たちの給料についても、その原資は民間から徴収される。そこで政府が寄与することといえば、権力によって国全体の努力をまとめるだけである。権力とはすなわち徴兵や課税を行なう権力であり、これに配給制、賃金統制、価格統制、旅行制限といったより小さな強制が加わる。それゆえ「他国の侵略から社会を守るために政府が必要である」と主張することは「他国の侵略から市民を守るために自国民の侵略が必要である」と主張することと同じなのである。
Morris Tannehill, Linda Tannehill
THE MARKET FOR LIBERTY
15. Foreign Aggression
より