アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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政治に参加することの不毛さ

あなたに政府についての知識が欠けていても何の不思議もない。実際、完全に合理的である。というのは、政府のパフォーマンスを効果的に評価しようとして情報を入手するインセンティブは、市民にとってほとんどないからである。たとえ民主主義であったとしてもである。結局のところ、情報探索の面倒さを踏まえれば、個人が政府を評価することに何か重大な意義があるとは、けっして言えないのだ。デビッド・フリードマンは次のように言う。

 

政府を買うように私たちが車を買うと想像してみよ。1万人の人が集まり、それぞれ一番好きな車に投票して車を選ぶことに同意する。どの車が勝とうとも、皆その車を買わなければならない。誰にとっても、どの車がベストか頭を悩ませるのは割に合わない。私が何に投票しようと、私の車は他の投票者によって選ばれるからだ。そのような車購入制度のもとでは、あっという間に車の品質は下がってしまうだろう。

 

これこそが政治の市場で物を買う方法なのだ。私は何か他の選択肢と比較できないだけでなく、仮にできたとしても、そうすること自体、私にとって時間の無駄なのである。このことは政治の市場で売られている物の品質と何か関係があるかもしれない。(「買ってしまってからでは遅い」1973: 180-81)

 

Bruce Benson

TO SERVE AND PROTECT: PRIVATIZATION AND COMMUNITY IN CRIMINAL JUSTICE

Information and Monitoring of Performance

より