アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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行列―タイムリッチだけが優遇される悪い市場

割当制度は必要である。なぜなら資源と、それゆえ人々が作れる生産物は、需要に対して不足しているからである。さらに、皆が自分の好むように資源を使いたいと思うなら、その管理権を得るために競争しなければならない。

 

割当メカニズムが競争の次元を決める。例えば「早い者勝ち」とは人々が列の先頭近くにいたいということだ。だがそれは競争が列を作ることと同じ意味になる。なぜなら商品が欲しい人は他の人が来る前に、我先に並ぶインセンティブを持つからだ。この割当プロセスは貴重な資源を消費する。すなわち消費者が順番待ちに使う時間は、実際商品やサービスを生産することに使えたのだ。さらに、時間に相対的に高い価値をおく人々は行列に並ばないだろう(彼らは商品を買わないし、おそらく闇マーケットに向かうこともないだろうし、あるいはこの割当プロセスに影響を与えようとして政界に行くこともないだろう)。それゆえ順番待ちが必要なものというのは、それに最高に価値をおく人へ割り当てられる保証がまったくないのである。というよりむしろ、時間に最も低い価値をおく人の所に優先的に行ってしまうのだ。

 

Bruce Benson

TO SERVE AND PROTECT: PRIVATIZATION AND COMMUNITY IN CRIMINAL JUSTICE

Rationing and Competition

より