メカニズム・デザイン(mechanism design),あるいは遂行理論(implementaton theory),は選挙制度・契約・オークション・官僚組織の意思決定システム・公共財の供給方法,などを比較・設計することを目的とする,応用範囲の広い経済理論である.「どのようにメカニズム(契約や法制度などのルール)を定めれば,ひとびとの希望を尊重しつつ社会的に望ましい状態を達成できるか?」といった問題をあつかう.ひとびとは通常自分に不利になる情報を提供したがらないので,単に希望を聞くだけではダメである.
三原麗珠『メカニズム・デザイン レクチャー・ノート』(1999)(PDF)より
中学校では少ない資源の中で娯楽水準の最大化が行われていた。新しい楽しいゲームを作る
インセンティブは政府(学校)にはもちろんなく、むしろそれを規制・禁止しようとさえしたが、市場(放課後の教室)は
イノベーションが生まれる空気に満ちていた。
メ
カニズム
デザインあるいは制度設計というと何か
社会主義のにおいがするかもしれないが、実際は民間のオークションから税制度、企業間の契約までを扱える
イデオロギーフリーな広い
フレームワークのことである。(この点はやはり三原麗珠の
『情報効率性とインセンティブ・コンパティビリティ:ノート』(1996)に言及がある。)
私はメ
カニズムデザインなどをまとめて
ゲーム理論と言ってしまうが、メ
カニズムデザインは「(大なり小なり)社会内における望ましい(効率性・公平性)制度のデザイン」ということである。要するにゲームを作るということだ。
(続く)