アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

移民受け入れの是非2

I君も指摘するように日本の警察は無能であり、治安対策により税金がつぎ込まれたからといってうまく機能すると期待することはできない。また彼の言うように、日本の甘い法制度が悪い外国人を引き付けているということも認める。さらに移民はずっと貧しいままであり彼らが犯罪を起こしやすいというのも半分は認める。だがこれらはすべて政府の無能と規制が原因なのである。

また大部分の移民は、平均的には単純労働に従事し、相対的には貧しいかもしれないが、少なくとも祖国にいるより生活が良くなるから日本を選ぶのだ。イギリスにおいてはインド系の平均所得は高く、経済の中核的存在と言われるぐらいである。長期的、また平均的には移民も同じような豊かさを享受するのである。

感情的に移民を受け入れることができないというのもわかる。文化・慣習が大きく異なり言葉が通じないデカい外国人を、人々はライオンが放されているのと変わりないと思うだろう。だが以前にも書いたようにリバタリアンはそういう感情に基づいた差別を大いに容認するのだ。私も自分を理解しない猛獣のような人間が近くにいるだけで嫌だし、韓国人と黒人女も平均的に嫌いである。差別というのは無知・無理解からだけでなく、ある程度相手を知った後でさえ起こるものだろう。

(続く)