アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

★無政府資本主義の理論(経済学)◆リバタリアニズム▽海外リバタリアンの文献翻訳■時事問題・日常生活▼ロンドン暮らし

移民受け入れの是非3

リバタリアンとりわけ無政府資本主義者の考えなどエクストリームすぎて、ある異なる思想の持ち主は普通の人より理解できないものかもしれないが、私はこの考えを信じるどころか経済理論をバックに自信をもって主張できるし、いかにわかりやすく説くかということまで考えている人間だ。

どういう経過で彼と移民の話に至ったかは憶えていないが、おそらくロンドンが外国人だらけで、推定7割以上がイギリスをルーツとしない異民族の都市であるからだろう。さてI君と話していて、移民政策一つとっても、政策とその是非については最終的にはある価値観とそれに基づく思想から総合的に判断されるものであるということがはっきりわかった。

私の考えは、無政府でなくとも移民政策を支持するが、理想的な形態はアナーキーな移民制度ということである。そしてこれはナショナリストを納得させることは難しいかもしれないが、メタ的な社会である無政府資本主義社会では、移民を認めないコミュニティなり政治体ができることは何ら問題ないし、当然妥当と考えられるものであるのだ。それが共産主義者アナルコ・サンディカリストも自由に活動する真のリバタリアン社会である。

様々なコミュニティや保護機関が一つの地域に混在、またはそれらが地理的に分離して存在するというのが私の無政府資本主義社会のイメージである。だから移民を認めないエージェンシーなり共同体が存在していいし、おそらく必ず出現するから、I君のようなナショナリストはそこで生きていけばいいだろう。(ただ近くではチャイニーズもタイもケバブも高くてまずいのしか食べられなくなるよ?)

個人の好みと多様性を認めるのがリバタリアンであるし、それを認めないことや何かを強制すること、邪魔をすることに反対して武力にさえ訴えることがあるのが真のリバタリアンである。私は人々はもっと豊かになるべきである、またはそうなることを阻害されるべきではないと考えるし、物質的・精神的にもっと豊かな社会で生きたいのだ。

(終わり)