アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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希少性という問題がない世界では財産に関するルールは不要である

だがしかし、次のことは明らかであろう。つまり、財産権の由来、理由、機能を所与とすれば、それは希少な資源についてのみ当てはまる。もし我々がエデンの園(地上の楽園)にいて、土地も他のものも無尽蔵に持つとすれば、希少性という問題は存在しないし、それゆえ財産に関するルールも必要ない。そもそも財産という概念が意味を持たない。衝突という事態もなければ、権利という着想もない。もしあなたが私の芝刈り機を奪ったとしても、私が新しいものを魔法で一瞬のうちに出せるなら、それはもはや奪ったとも言えない。このような状況で芝刈り機を取ることは「盗み」にあたらない。財産権は無限に豊富なものに対しては当てはまらない。なぜならばそのようなものに関し、衝突という事象は存在しえないからである。

 

N. Stephan Kinsella

AGAINST INTELLECTUAL PROPERTY

Rights: Property and Scarcity

より