良い経済学と悪い経済学の違い
新たな経済学的誤謬が日々生み出される主な要因として、キリのない私益の弁護という一つ目の理由に加えて、二つ目の理由がある。すなわち、実施される政策の短期的な効果だけ、また特定のグループへの効果だけを見てしまうという人間の執着的な傾向であり、また政策の長期的な効果を特定のグループについてだけ考えて、すべてのグループについて調べようとしないという怠慢である。それが二次的な結果を見過ごすという過誤である。
これこそが良い経済学と悪い経済学の違いだ。悪い経済学者は目にすぐ飛び込んでくるものだけを見る。良い経済学者はその向こうにあるものも見る。悪い経済学者は提案された方針の直接的な効果だけを見る。良い経済学者はその長期的かつ間接的な効果も見る。悪い経済学者は与えられた政策に関して特定のグループについての結果と効果だけを見る。良い経済学者はすべてのグループへの効果を調べる。
Henry Hazlitt
ECONOMICS IN ONE LESSON
1. The Lesson
より