アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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【悪法】CFD規制:FXは規制されなかったからこそ市場が成長した

後手に回ったFX規制の反省か 急速に進む「CFD」包囲網

7月20日11時0分配信 MONEYzine
 個人投資家の間で人気が高まっている「CFD(差金決済取引)」だが、金融庁はCFDに対し、顧客資産の保護策を導入、倍率規制も検討するなど、着々とCFD包囲網を築いている。

 CFDは株や商品など投資対象となる資産を実際に保有することはなく、取引が終了した時に売買した価格の差額(差益・差損)だけをやり取りして終了する取引。預けた証拠金の数十倍の取引ができるのも特徴で、少額の資金で大きな利益を生み出す可能性がある仕組みは、FX(外国為替証拠金取引)と似ている。

 そのためCFDは「第2のFX」と呼ばれることもあるが、これに対し早めに手を打っておく必要があると判断し、規制強化を打ち出したのが金融庁だ。取扱業者に、顧客から預かった証拠金を会社の資産と分別管理するよう義務付ける方針だ。

 ただしCFD業者からは「今はまだこれから投資家が増えていく段階。目立ったトラブルも起きていないし、規制強化のタイミングとしてはずいぶん早い印象だ」との声もある。CFDの規制強化の背景にあるのは、FXの規制が後追いになってしまった苦い経験だ。1998年に新改正外為法によってFXが日本で導入されてから2005年に金融先物取引法を改正されるまでは、FX会社を取り締まる監督官庁や法律もなく、規制強化が遅れてしまった。

 FX業者の中には顧客から預かった資金を勝手に運用したり、過剰に売買を勧める会社も存在した。こういった一部の悪徳業者のせいで、いまだにFXに対して危険なイメージを持つ投資家がいるのも事実だ。

 CFDの全体の口座数は今年3月末で1万3000程度で、170万口座ともいわれるFXに比べると、市場規模はまだまだ小規模。だがCFDがさかんな英国では取引所取引の売買代金の約3割がCFDのカバー取引等によるものともいわれており、インターネット取引が浸透している日本でも同様に盛り上がる可能性もある。国内のCFD業者は昨年末から半年ほどで倍増し、10社を超えた。

 世界が金融危機の反省から金融業界への規制を強めているなか、FXの次の金融商品としてCFD市場の成長を期待する業者と、後手に回ったFX規制の反省を生かしたい国のそれぞれの思惑が交錯している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090720-00000000-sh_mon-bus_all