Future Imperfect
Future Imperfect はデイビッド・フリードマンによる未来予測である。科学技術のさらなる進歩が引き起こすかもしれない社会的変化を法と経済学的に分析していく。タイトルはスタートレックのエピソード名からである。
蚊の大きさのカメラ付ラジコンができたらプライバシーも何もなくなるだろう。誰が何をしているか全部筒抜けである。テクノロジーの発展は私的な空間を狭めパブリックな(オープンな・非匿名な)空間を広げていく。だが一方でサイバースペースにおいては暗号化の技術がますます発達し秘密はより守られるようになる。つまりプライベートな(クローズドな・匿名な)空間が広がっていく。
遺伝子技術の発展によって父と母のいいところだけをとった子供をカット&ペーストでデザインすることができるし、老化など問題でなくなるかもしれない。一方ではナノテク(原子レベルの工学)が体の悪いところを直してくれる。生物はすべて原子からできているからである(たとえばDNAはらせん状の分子機械である)。
人工知能を搭載したロボットはますます賢くなり、人間に近づくどころか超えてしまうかもしれない。最悪の場合頭のよさで今人間がチンパンジーにつけている差をつけられるのである。一部の人々はロボットと共に暮らすどころか結婚さえするかもしれない。
バーチャルリアリティ、たとえば今ある体感型ゲームはコンピュータを通じて端末を振動させ体の一部に外部から物理的に刺激を与えるようなものだが、将来はコンピュータから直接体にケーブルを差し込んで体の全部に内部から神経的に知覚させるようなものが考えられる。
以上はわくわくする01. イントロダクションだが、2章以下は次のようになっている。
02. 生活の変化(著作権の死、ネットでの誹謗中傷、出産、結婚、オンラインビジネス、人体冷凍保存)
03. ストロング・プライバシーな世界
04. もし情報が財産なら誰が所有するのか
05. 監視の技術:世界が円形刑務所になる
06. そもそもなぜわれわれはプライバシーが欲しいのか
07. デジタル通貨と私的通貨
08. サイバースペースにおける契約
09. デジタル世界の著作権
11. メタファーとは何か(インターミッション)
12. コンピュータ犯罪の未来
14. 人間の繁殖
15. 神と自然
16. 向精神薬(化学と幸福)
17. 最後の致命的な病気
18. ナノテク
19. 人工知能
20. バーチャル・リアリティ
21. 最後のフロンティア