アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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【悪法】旅館業法:ホテルが問題客の利用を断るのは当然。誰もあなたの家で集会する自由はない。

プリンスホテルに3億円支払い命令 日教組集会使用拒否で

7月28日15時15分配信 産経新聞
 グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が昨年2月に予定されていた日教組の教育研究全国集会の会場使用などを拒否した問題で、日教組や組合員がプリンス側に慰謝料など計約3億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。河野清孝裁判長はプリンス側に請求通り約3億円の支払いと全国紙5紙への謝罪広告掲載を命じた。

 判決によると、日教組は平成19年5月、グランドプリンスホテル新高輪と使用申し込み契約を結んだが、プリンス側は同年11月に契約を解除した。日教組は会場の使用を求めて仮処分申請し昨年1月に東京高裁が会場使用を認める決定を出したがプリンス側は従わなかった。

 問題をめぐっては、教研集会参加者の宿泊予約を合法な理由もなく取り消したとして、警視庁が旅館業法違反の疑いで、プリンスホテルの社長や総支配人計4人を書類送検している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090728-00000567-san-soci

日教組会場使用訴訟 周辺への影響に言及せず 控訴審論議

7月28日21時32分配信 産経新聞
 プリンスホテル側の契約解除に端を発した日教組教研への会場使用拒否問題。仮処分決定に従わなかったプリンス側を裁判所は厳しく批判した。一方で、教研集会開催による周辺への影響については明確な判断をせず、今後、同様の問題が起きかねない。

 今回の問題で、一度契約したプリンス側の契約解除に落ち度があることは明白だった。プリンス側も「いったん契約した予約を白紙に戻すのは本来、許されない」と認めている。

 それでもプリンス側が契約を解除したのはなぜか。

 プリンス側は、集会開催日に半径2キロ圏内で北里大や聖心女子学院、頌栄女子学院や品川女子学院など12の学校の入学試験が行われることを指摘。「7000人超の受験生が騒音や交通規制に悩まされ、取り返しのつかない事態になりかねない」と主張していた。

 右翼団体の街宣活動は開催前の1、2カ月前からあり、当日はさらに多く集まる。プリンス側は、道路封鎖や交通規制による渋滞、バス路線の変更、救急搬送や病院の制約などの懸念材料も列挙。企業としての責任を強調した。

 しかし、会場使用を認めた昨年1月の仮処分決定は「警視庁などが警備を了解しており、街宣車が取り囲む事態は想定し難い」とプリンス側の主張を退け、今回の判決も「右翼団体の行動を考慮したとする主張には根拠がない」とするにとどまった。

 教研集会は、学校現場の課題を話し合い教育環境を向上させる重要な場で、当然、憲法で保障された集会の自由も尊重されなければならない。しかし、周辺に深刻な影響が予想されることが明らかでも、契約見直しが「集会の自由」を理由に許されないならば、ホテルに限らず多くのサービス業は著しい制約を受けることになる。

 今回の判決では、「集会の自由と周辺への影響との兼ね合い」への言及は避けられた。今後の控訴審では、正面からの論議が期待される。(安藤慶太、大泉晋之助)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090728-00000622-san-soci