アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

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【悪法】労働法を強化すれば失業者が増えてさらに格差が拡大するだけ。給付付き税額控除などの小細工より労働法の完全撤廃こそが格差を最小化する。

経済財政白書 格差拡大「非正規雇用の増加が主因」

7月24日11時8分配信 産経新聞
 林芳正経済財政担当相は24日の閣議に、平成21年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。白書は非正規労働者の増加によって「賃金、家計所得の格差の拡大傾向が続いている」と指摘し、格差の拡大傾向を明確に認めた。白書はその原因を「非正規労働者の増加」としており、高齢者だけでなく、若年層にも効率的に所得を再分配する制度が必要と結論づけている。

  [グラフでみる]不況時に企業が実施した雇用調整法

 白書を作成した内閣府は、所得格差を示す代表的な指標である「ジニ係数」を分析した。その結果、雇用者のジニ係数は昭和62年以降は一貫して上昇。直近のデータがある平成19年も高水準で推移していた。

 さらに白書は昨秋以降の世界的な景気後退に伴い「『派遣切り』などの形で雇用調整が行われた」と非正規労働者の雇い止め問題を指摘。実際に5月の完全失業率は5・2%と急速に悪化しており、内閣府は「仮に20~21年のジニ係数を推計すれば格差はかなり拡大しているだろう」(幹部)と失業者の増加が格差の拡大を加速させることに懸念を示している。

 こうした状況を受け、格差拡大の要因についても「非正規雇用の増加が主因」と言い切った。1~3月の非正規労働者は全雇用者の3分の1を占めている現状を踏まえ、「正規と非正規との間には生涯所得で約2.5倍の格差がある」とのデータをあげ所得格差を問題視している。

 さらに、非正規雇用が増加した背景として初めて、高齢化以外に「労働法制の改正」を原因にあげた。麻生政権はこれまで「小泉構造改革」で生じた“ほころび”の修復を掲げてきたが、白書の表現ぶりは「行き過ぎた規制緩和が格差拡大を助長した側面もある」と暗に認めた形だ。

 来月の衆院選では自民、民主両党とも「格差の固定化」を防ぐため、低所得者に配慮した「給付付き税額控除」などの施策をマニフェスト政権公約)に盛り込む方針で、今回の白書は格差をめぐる議論の根拠にもなりそうだ。

 一方、白書は今回の景気後退について「過去にない『速さ』『深さ』で、『長さ』も過去の平均に達した可能性がある」と指摘。「(2007年までの)米国の景気拡大はバブルの要素を含み、わが国の収支改善も制約される」として日本の景気がピーク時の水準に戻ることは難しいとの見方を示した。その上で個人消費を中心とする内需と輸出など外需の「双発エンジン」で回復する姿が望ましいと結論づけている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090724-00000524-san-bus_all