金融論から国家論
Hans-Hermann Hoppe は日本ではほとんど知られていないかもしれないが、現代のアナルコ・キャピタリストの筆頭ともいえる経済学者である。このリバタリアン理論家の特徴は経済理論を駆使した国家の分析を諸々の歴史的事実によって裏づけするところにある。
最初民主制国家より君主制国家のほうが優れていると聞いて驚いた。この現代人の常識とは100%反対する主張に心を打たれ私は Democracy: The God That Failed を購入した。なるほど前者は後者と違って誰にも所有されておらず維持改善のインセンティブがないのだ。
比較的最近越後和典氏(知らない方は→Left and Right、読書百貨店へ)がホップの論文
Banking, Nation States, and International Politics: A Sociological Reconstruction of the Present Economic Order
を要約して紹介しているので一読をお勧めする。なぜわれわれは不換紙幣での生活を強いられているのか。
ハンス=ヘルマン・ホッペの業績――金本位制と自由銀行業の擁護――越後和典
ちなみにグッドタイミングでL@Jに関連記事が来ている→Denationalisation of Money。貨幣法定主義の前提から見直すのが正しい思考法である。